大切な人を失うということは、その人が未来から居なくなるだけではありません。
それは、これまで共に過ごしたすべての時間が止まることを意味します。
安寧の時間、怒りの時間
悲しい時間、愛しい時間、望みの時間。
これらすべての瞬間が突然、静止します。
本人には見せなかった涙
つらさや悲しみを押し込め、微笑んだ時間、支え続けた時間
それらは、悲しみと希望が交錯する感情として心に残ります。
時が経っても、その時間の感情や思いは心の中に残っています。
支え続けた時間が濃ければ濃いほど、その感情を律し続けた努力は支えとなり、
前を向こうとする新たな力となります。
同時に、ご自身を「律し続けること」から解放することを恐れます。
時には、周囲からの同情や共感に嫌悪感を抱くこともあるでしょう。
その感情を否定しないでください。
あなたが感情や行動を律してきた時間は、言葉では表せないほどの重みがあります。
それを無かったことにしても、傷が癒えるわけではありません。
だからこそ、傷を塞ごうと無理をするのではなく、
ぽっかりと空いた傷口があることを認めることが大切です。
そうすることで、ゆっくりと癒しが始まります。
ぽっかりと空いた傷口は大きすぎて、何の感情に支配されているのか、
何に押しつぶされているのか、何が許せないのかを見つけるのは難しいかもしれません。
ですので、まずは何でも、どんなことでも言葉にしてみてください。
何を感じたのか、どんな思いをしたのかを声に出したいと思えた時、
固い蕾が綻び始めるタイミングです。
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