こっくりさん(ちょっと怖いお話)

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※注 今回は怖いお話ですので、苦手な方はスルーしてください。

小学3年生の頃、こっくりさんが大流行していました。
放課後の教室では、こっくりさんをしてる2人を囲む子供たちの姿があちこちで見られました。
私は、母親から厳しく止められていた為、こっくりさんには参加しなかったものの
興味津々であちこち見て回っていました。

ある夕方、珍しく少人数でこっくりさんを行っているのを見かけ、私も間近で見てました。
かなり動きが速く、質問が終わる前に答えが返ってくる様子に、二人は「速い、はやい」と
互いに言い合っていました。
そのうち、なんとも言えない重苦しい雰囲気が漂い始め、
早めに終わらせようとしましたが、こっくりさんは帰ろうとしませんでした。

そして突然、私の名前を指し、「喰う」というのです。
二人は、「帰って」と半べそをかきながらお願いしましたが、ずっと「私を喰う」と言い続けるのです
十円玉から手を放そうとしてるのですが「離れない」と泣きじゃくっていると、教室の内窓ががたがたと鳴り、ラップ音があちこちで鳴り響き、皆パニック状態で泣き叫ぶ中、
私は何とか返さないと喰われると思い「帰れ!」と叫んでいました。

その時、担任の先生が教室に飛び込んできました。
先生は使用した十円玉と、何かをこっくりさんの紙に折り込み、私に川に流してくるよう指示をし、
「17時まで川に流し、流した後は決して振り返らないこと」を約束させ私を送り出しました。
17時まであと10分足らず、距離としては川に着くには十分だったものの、
走っても走っても中々たどり着かないようなもどかしい時間でした。
投げた瞬間の形容しがたい「音」に耳をふさぎながら走り、
教室に戻ると他の子は帰され、私は先生からこんこんとお説教を受けました。
最後に「絶対にこっくりさん等をしてはいけないこと」と「近寄らないこと」を約束し帰路につきました。

担任は祈禱寺のご住職でもあったので、払ってもらい何とか無事に帰ることができることに深い安堵と、
これで母親にもばれないで済むと思いながら帰宅したのですが、すでに学校から報告されており、
母からはがっちり叱られたのでした。
この出来事は「これは約束を破ると大変なことになる」と心に刻まれた一日でした。

それ以降、学校では「こっくりさん」等が全面禁止、放課後は速やかに帰宅することが徹底されたのです。

こっくりさん等は降霊術の一種です。
素人であっても、稀に「霊」「異界のもの」と交流することがあります。
その交流方法は人の常識とは異なり何が起こるか分からない為、近づかないことをお勧めします。
これは、私がこの体験を通し学んだ教訓です。

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