死後の世界を 垣間見る瞬間

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土葬の風習がまだ残っていた頃のお話です。
夕方、白装束に包まれた参列者たちが、お墓まで棺を担ぎ紙吹雪や生米を空に撒きながら列を成して歩きます。

墓地で、棺に参列者全員で死者の魂を慰めるように声をかけながら土をかぶせました。
最後に献花が終わると、何かがおかしい。
目を凝らすと、盛り上げられた土がもこもこと動き始めました。
「まだ生きている?」と目を見開く私に、後ろにいた祖母がそっと私の頭を包み込み、
「大丈夫。もう大丈夫だよ」と囁きます。
その言葉が届いたかのように、土の動きは静まり、再び平らな姿に戻っていました。


神智学的な視点では、死後の世界は現世と密接に結びついていると考えられています。
死者の魂は、肉体を離れた後もその意識を保ち、あるいは特定の繰り返しをしようとする力を持つと言われています。
それは生者が心を向け、その存在を認識することで初めて可視化されるのです。

また、死後の世界は「終わり」ではなく、魂が新たな学びや経験を経て成長する「続きの旅」です。
この出来事は、死者がその存在を通じて、生者に深い洞察や気づきを与えようとしているのかもしれません。

死後の世界を理解することは、生きることの意味を知る手助けになるだけでなく
死者と深いつながりを保つきっかけにもなります。

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